ピラゾロン

曖昧さ回避 この項目では、解熱鎮痛薬のピリン系について説明しています。ピリン系薬剤とは異なる解熱鎮痛薬アスピリンについては「アセチルサリチル酸」を、植物の線毛の構成タンパク質については「ピリン」をご覧ください。
3-ピラゾロン
5-ピラゾロン

ピラゾロン (pyrazolone) は複素環式化合物に分類されるγ-ラクタム(五員環のラクタム)でカルボニル基を有する化合物。ピラゾリンの水素基の一つがカルボニル基に置換した構造を有し、3-ピラゾロン5-ピラゾロンが存在する。誘導体の解熱鎮痛剤は、ピリン系と総称される。

合成

主にホルミル酢酸エチルとヒドラジンより生成する。

性質

結晶は針状で、有機物では珍しくに可溶である。主な用途は、ピラゾロン染料の原料になる。

誘導体は主に解熱鎮痛剤として用いられるアンチピリン、メタミゾール、フェニルブタゾンクロフェゾンスルピリンなどがある。これらはピリン系薬剤と総称される[1]アレルギーが生じやすい[1]など、副作用がとても多く、21世紀には滅多に使われない[2]

フェニルピラゾロン誘導体は、ピラゾロン誘導体にフェニル基の構造が付加された化合物のことである。 アンチピリンアンピロンなどが該当する。フェニルピラゾロン誘導体は、日本の競馬における禁止薬物(競走馬理化学研究所#日本の競馬における禁止薬物一覧参照。)に含まれている。

脚注

  1. ^ a b 日本国語大辞典, 日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “ピリン系薬剤(ぴりんけいやくざい)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年7月23日閲覧。
  2. ^ “ピリン系でアレルギーは本当ですか?|医者も知らない医学の新常識”. 日刊ゲンダイヘルスケア. 2023年11月18日閲覧。

関連項目

外部リンク

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太字はグループで初期に発見された薬物。承認取消あるいは市場撤退した薬、動物用医薬品。

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