ブーティリシャス

ブーティリシャス
デスティニーズ・チャイルドシングル
初出アルバム『サヴァイヴァー』
B面 Cards Never Lie
リリース
ジャンル ファンクポップ・ミュージック
時間
レーベル コロンビア
作詞・作曲 ビヨンセ・ジゼル・ノウルズ、ロブ・フサリ、Falonte Moore、スティーヴィー・ニックス
プロデュース ビヨンセ・ジゼル・ノウルズ、ロブ・フサリ、Falonte Moore
チャート最高順位
デスティニーズ・チャイルド 年表
「サヴァイヴァー」
(2001年)
ブーティリシャス
(2001年)
「エモーション」
(2001年)
ミッシー・エリオット 年表
「リック・ショッツ」
(2001年)
ブーティリシャス (Rockwilder Remix)
(2001年)
「ワン・ミニット・マン」
(2001年)
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ブーティリシャス」(Bootylicious)は、デスティニーズ・チャイルドシングル。3rdアルバム『サヴァイヴァー』(Survivor)(2001年5月)からの2枚目のシングルとして2001年5月に発売され、Billboard Hot 100でチャート1位(グループとして1位を獲得したシングルの4枚目)、UKチャートでも2位を獲得する大ヒットとなった[1][2]

「ブーティリシャス」は、スティーヴィー・ニックスのヒット・シングル「エッジ・オブ・セブンティーン」(1981年のアルバム『麗しのベラ・ドンナ』("Bella Donna")に収録)の特徴的なギターリフが、イントロから曲全体にわたってサンプリングされており、アルバムの中でも先鋭的な楽曲として注目された[3]

曲の制作に関わったメイン・ボーカルのビヨンセは、日本に向かう飛行機の中で聴いた「エッジ・オブ・セブンティーン」のギターリフから、セクシーで肉感的な女性のイメージが湧き、女性の曲線美を讃える歌を書きたくなったと2009年のコンサート「アイ・アム…ユアーズ」("I Am... Yours")で語っている[4]。曲調については、「ジャズっぽい曲ね。そう、オールドスクールっぽいサウンドでとっても新鮮でしょう。こういうサウンドは今どこにもないわよ。ジャズ・スキャットもやっているんだけど、これも新しい試みね。マイケル・ジャクソンっぽいパートもある。いろんな要素が入った曲よ。とっても楽しいパーティー・ソングね」とアルバム発売時に紹介している[3]

「ブーティリシャス("Bootylicious")」という言葉は、"booty"(お尻)と "delicious"(美味しい)が合わさったスラングで、「美味しそうな、そそるような、むっちりしたお尻」「セクシーで魅惑的なお尻」といった意味を持つ。この言葉を最初に楽曲の中で使ったのはラッパーのスヌープ・ドッグで、「ファック・ウイズ・ドレー・デイ(アンド・エヴリバディズ・セレブレイティン)」("Fuck wit Dre Day (And Everybody's Celebratin') ")」(1992年のアルバム『ザ・クロニック』("The Chronic")に収録)の中で歌われているが、デスティニーズ・チャイルドの「ブーティリシャス」のヒットにより、作詞をしたビヨンセを象徴する言葉として認知度が広がり、辞書にも載るようになった[5]

ビヨンセは、お尻が大きく、当時少し太ってしまった自分の体型のコンプレックス(業界内の価値観では細身が好まれているため)を逆手にとりながら、「おしりの大きいのはいいことだって言葉("Bootylicious")の響きがおもしろい」と思って歌詞を書いたと動機を語っている[5]

ミュージック・ビデオ

マシュー・ローストン(英語版)監督のミュージック・ビデオのDVDは、デスティニーズ・チャイルドのベストアルバム『ナンバーワンズ』に収録されているが、ビヨンセが、「マイケル・ジャクソンっぽいパートもある」と言うように、MVの中では、マイケル・ジャクソンがテレビの特別番組「モータウン25:イエスタデイ、トゥデイ、フォーエバー」(" Motown 25: Yesterday, Today, Forever"」で披露した「ビリー・ジーン」のダンス・パフォーマンス(斜に構えて被っていた帽子を投げる振付)や、マイケルの「スリラー」、「今夜はビート・イット」、「バッド」のMVのダンスの振付の数々や、マイケルがライブで見せた「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」のダンスの一部が散見される[1]

MVの冒頭部では、スティーヴィー・ニックス本人が、サンプリングされた「エッジ・オブ・セブンティーン」のギターリフを演奏しながらカメオ出演している[1]。また、MVには、かなり肥った女性や、個性的な男性などが登場したりしているが、「ブーティリシャス」の歌詞を書いたビヨンセは、「女性にも男性にも、自分の欠点を受け入れて自分の身体を愛しなさいってメッセージを届けるようにしてるわ、要するに、自分の外見にこだわりすぎるべきじゃないと思うの。若い子たちにも『自分の個性を大切にすれば、自然と美しさが外に出てくるものよ』って話してるわ」と語っている[5]

公式リミックス

  • ブーティリシャス(ロックワイルダー・リミックス) - Bootylicious (Rockwilder Remix)
    • リミックスは、ヒップホップ・プロデューサーで、ラッパーのロックワイルダー(英語版)によるもので、ロックワイルダーと、ビヨンセ、ミッシー・エリオットによって制作された。ミュージック・ビデオも、オリジナルの「ブーティリシャス」とは別に、ヒップホップ色を全面に出したリミックス版として作られた[2]。ミッシー・エリオットをフィーチャリングしたこのリミックス版は、ビヨンセ主演の2001年のミュージカル映画『カルメン:ア・ヒップ・ホペラ』( Carmen: A Hip Hopera)のサントラにも使用され、リミックス・アルバム『ディス・イズ・ザ・リミックス』(This is the remix)に収録されている[2]。MVの方は、2013年発売のDVD『ヴィデオ・アンソロジー』(Destiny's Child Video Anthology) に収録されている。
  • ブーティリシャス(リチャード・ヴィッションズ・V-クエスト) - Bootylicious (Richard Vission's V-Quest)
  • ブーティリシャス(リチャード・ヴィッションズ・DJ ダブ) -Bootylicious (Richard Vission's DJ Dub)
    • マキシ・シングルに収録されているヴァージョンで、リチャード・ヴィッション(英語版)によるリミックス。
  • ブーティリシャス(ビッグ・ボーイズ・リミックス) - Bootylicious (Big Boyz Remix)
    • マキシ・シングルに収録されているヴァージョン。
  • ブーティリシャス(エド・ケース・リミックス) - Bootylicious (ED Case Remix)
    • ヨーロッパのエンハンス・シングル版に収録されているヴァージョンで、ロンドンのミドル・ロー・スタジオ(middle row studios)のエド・ケースによるリミックス[2]。リミックス・アルバム『ディス・イズ・ザ・リミックス』(This is the remix)に、日本のみのボーナストラックで収録されている[2]
  • ブーティリシャス(M&J’s ジェリー・リミックス) - Bootylicious (M&J's Jelly Remix)
    • ヨーロッパのエンハンス・シングル版に収録されているヴァージョン。

脚注

[脚注の使い方]

参考資料

  • サヴァイヴァー (ライナーノーツ). デスティニーズ・チャイルド. ソニー・ミュージックエンタテインメント. 2001. SRCS 2424。
  • ディス・イズ・ザ・リミックス (ライナーノーツ). デスティニーズ・チャイルド. ソニー・ミュージックエンタテインメント. 2002. SICP 115。
  • #1's (ライナーノーツ). デスティニーズ・チャイルド. ソニーBMGミュージックエンタテインメント. 2005. SRCP 930-1。
  • ブランドン ハースト 著、川田志津 訳『ビヨンセ』マーブルトロン、2010年10月。ISBN 978-4123902755。 
  • ビヨンセ アイ・アム…ユアーズ』(ブックレット)ソニー・ミュージックエンタテインメント、ラスベガス、2009年(原著2009年)。SICP 2541-3。 

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • ブーティリシャス - Discogs (発売一覧)
  • Bootylicious music video - YouTube
  • Bootylicious (Remix) music video - YouTube
旧メンバー
  • ラターヴィア
  • ラトーヤ
  • ファラ
  • スタジオ・アルバムと
    そのシングル
    デスティニーズ・チャイルド
    • 「ノー・ノー・ノー」
    • 「ウィズ・ミー」
    ライティングズ・オン・ザ・ウォール
    • 「ゲット・オン・ザ・バス」
    • 「ビルズ・ビルズ・ビルズ」
    • 「バガブー」
    • セイ・マイ・ネーム
    • 「ジャンピン・ジャンピン」
    サヴァイヴァー
    • 「インディペンデント・ウーマン」
    • 「サヴァイヴァー」
    • 「ブーティリシャス」
    • 「エモーション」
    • 「ナスティー・ガール」
    デスティニー・フルフィルド
    • 「ルーズ・マイ・ブレス」
    • 「ソルジャー」
    • 「ガール」
    • 「ケーター・2・U」
    編集・企画アルバムと
    そのシングル
    8デイズ・オブ・クリスマス
    • 「8デイズ・オブ・クリスマス」
    • 「赤鼻のトナカイ」
    ディス・イズ・ザ・リミックス
    • なし
    #1's
    マシュー・ノウルズ・アンド・ミュージック・ワールド プレゼント vol.1:ラヴ・デスティニー
    • なし
    プレイリスト:ザ・ベリーベスト・オブ・デスティニーチャイルド
    • なし
    ラヴ・ソングス
    • なし
    EPレコード
    • ラヴ:デスティニー
    フィーチャリング参加
    括弧内は共演者と収録アルバム。★はシングルあり
    • 「キャント・ストップ」★(Lil' O『Blood Money』)
    • 「ジャスト・ビー・ストレート・ウィズ・ミー」★(Silkk the Shocker『Charge It 2 da Game』)
    • 「シーズ・ゴーン」★(マシュー・マースデン『Say Who』)
    • 「ウーマン・イン・ミー」(ジェシカ・シンプソン『Sweet Kisses』)
    • 「サグ・ラヴ」★(50セント『Power of the Dollar』)
    • 「グッド・トゥー・ミー」(メアリー・メアリー『Thankful』)
    • 「ドゥ・イット・アゲイン」キャムロン『 S.D.E.』)
    • 「ホワッツ・ゴーイン・オン」(オールスター・トリビュート)
    • 「ザ・ガール・イズ・マイン」★(99 Souls、ブランディ)
    サウンドトラック参加
    • 「キリング・タイム」(『メン・イン・ブラック』)
    • 「ワンス・ア・フール」(『NFL James '98』)
    • 「ゲット・オン・ザ・バス」(『ホワイ・ドゥ・フールズ・フォール・イン・ラブ』)
    • 「ノー・モア・レイニー・デイズ」(『 The PJs』)
    • 「スティミュレイト・ミー」(『エディ&マーティンの逃走人生』)
    • 「パーフェクト・マン」(『ロミオ・マスト・ダイ』)
    • 「ビッグ・ママのテーマ」(『ビッグママ・ハウス』)
    • 「インディペンデント・ウーマン パート1」(『チャーリーズ・エンジェル』)
    • 「ドット」(『チャーリーズ・エンジェル』)
    • 「サヴァイヴァー (延長リミックス feat. Da Brat)」(『カルメン:ア・ヒップ・ホペラ』)
    • 「ブーティリシャス (ロックワイルダー・リミックス feat. ミッシー・エリオット)」(『カルメン:ア・ヒップ・ホペラ』)
    • 「アイ・ノウ」(『ファイティング・テンプテーション』)
    ビデオ
    • 『プラチナムズ・オン・ウォール』
    • 『ワールド・ツアー』
    • 『ライヴ・イン・アトランタ』
    • 『ヴィデオ・アンソロジー』
    コンサートツアー
    • 「1999 ヨーロピアン・ツアー」
    • 「トータル・リクエスト・ライヴ・ツアー」
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