プロピオニルCoA

プロピオニルCoA
識別情報
CAS登録番号 317-66-8
PubChem 1033
KEGG C00100
MeSH propionyl-coenzyme+A
特性
化学式 C24H40N7O17P3S
モル質量 823.599 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プロピオニルCoA(Propionyl-CoA)は、化学式がC24H40N7O17P3Sで表される分子量が823.599 g/molの有機化合物である。

代謝

生合成

プロピオニルCoAはいくつかの経路で生成する。

代謝的運命

哺乳動物では、プロピオニルCoAはビオチン依存性酵素であるプロピオニルCoAカルボキシラーゼによって(S)-メチルマロニルCoAに変換される。この酵素反応では炭酸水素イオンATPを要する。この生成物はさらにメチルマロニルCoAエピメラーゼによって(R)-メチルマロニルCoAに変換される。(R)-メチルマロニルCoAは、メチルマロニルCoAムターゼによってスクシニルCoAに変換されるが、この酵素は炭素-炭素結合の移動を触媒するためのコバラミンビタミンB12)を要する。メチルマロニルCoAムターゼの欠如は、血液pHが低下するメチルマロン酸血症(Methylmalonic acidemia)を引き起こす[1]。 生成したスクシニルCoAは、クエン酸回路の中間体として代謝される。

植物と昆虫での代謝

植物と昆虫ではプロピオニルCoAは異なる経路で酢酸に代謝されるが、これはβ酸化に類似している。この経路の細部すべてが解明されたわけではないが、アクリリルCoAと3-ヒドロキシプロピオニルCoAが生成することが分かっている。この代謝により3-ヒドロキシプロピオニルCoAの1-炭素が二酸化炭素となり、3-炭素は酢酸の1-炭素となる。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “メチルマロン酸血症”. 厚生労働省難治性疾患克服研究班報告. 難病医学研究財団/難病情報センター. 2010年10月31日閲覧。

参考文献

  • Halarnkar P, Blomquist G (1989). “Comparative aspects of propionate metabolism”. Comp. Biochem. Physiol., B 92 (2): 227-31. doi:10.1016/0305-0491(89)90270-8. PMID 2647392. 

関連項目

ケト原性アミノ酸(K)
アセチルCoA
リシン
ロイシン
トリプトファンアラニン
糖原性アミノ酸(G)
G→ピルビン酸クエン酸
グリシンセリン
G→グルタミン酸
α-ケトグルタル酸
ヒスチジン
プロリン
アルギニン
G→プロピオニルCoA→
スクシニルCoA
バリン
イソロイシン
メチオニン
トレオニン
プロピオニルCoA→
G→フマル酸
フェニルアラニンチロシン
G→オキサロ酢酸

尿素回路を参照

その他
システイン代謝