ペレツ

ペレツ誕生の図。左下の、湯で洗われている赤ん坊がペレツである。

ペレツヘブライ語: פֶּרֶץ‎、ペレズ)は、旧約聖書創世記』に登場する人物。タマルがユダとの間に儲けた子で、ゼラ(英語版)の双子の弟[1]。 名前はヘブライ語で「破る」「飛び出す」という意味であり[2]、創世記38章29節にその名の由来が記されている。

創世記 38章
27 タマルの出産の時が来たが、胎内には双子がいた。
28 出産の時、一人の子が手を出したので、助産婦は、「これが先に出た」と言い、真っ赤な糸を取ってその手に結んだ。
29 ところがその子は手を引っ込めてしまい、もう一人の方が出てきたので、助産婦は言った。「なんとまあ、この子は人を出し抜いたりして。」そこで、この子はペレツ(出し抜き)と名付けられた[3]
30 その後から、手に真っ赤な糸を結んだ方の子が出てきたので、この子はゼラ(真っ赤)と名付けられた。 — 日本聖書協会『聖書 新共同訳』創世記38章27-30節

この他、ルツ記にはペレツからダビデ王までの系図が書かれており[4]マタイによる福音書ルカによる福音書に記されたイエスの系図(英語版)にもペレツの名がある[5]

脚注

  1. ^ 日本聖書協会『聖書 新共同訳』創世記38章29節
  2. ^ Strong's Hebrew 6556_ פָּ֫רֶץ (perets) -- a bursting forth, breach Retrieved 2015-08-01
    Note: The name is under Strong's 6557 which refers to 6556 for the meaning.
  3. ^ 日本聖書協会 口語訳『そして、その子が手をひっこめると、その弟が出たので、「どうしてあなたは自分で破って出るのか」と言った。これによって名はペレヅと呼ばれた。』
  4. ^ 日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルツ記4章18-22節
  5. ^ 日本聖書協会『聖書 新共同訳』マタイによる福音書1章3節、ルカによる福音書3章33節

参考文献

旧約聖書の系図(アダムからダビデまで)
 天地創造からノアの洪水まで
カインとアベルの系譜
ノアの大洪水以降の族長時代
古代イスラエル人から統一国家古代イスラエルまで