四股

四股(しこ)とは、相撲における動作のひとつで、力士が土俵の上で片足を高く掲げ、強く地を踏む所作のことをいう。もとは醜足(しこあし)といった[1]

相撲の稽古における重要なもののひとつとされるほか、他方で地を踏み鎮めるという宗教的意味をもつ。

手順

腰割り

四股の基本の構えが「腰割り」である。股関節をゆるめて開き、膝とつま先の向きをそろえる。重心はかかと内くるぶし真下に置き、腰を下ろす。このとき、腰を深く下ろすことよりも、上体をまっすぐに保ち、重心線にのって骨の並びをそろえることが大切である[2]

四股

腰割りの構えを保ったまま、足を代わる代わる上下させる。全身をゆるめ、重心移動で体を傾けていく[3]。このとき、手を膝に添え、力を入れて爪先から地を踏む。膝は真横に開き、足は地面に踏んだ位置から引きつけずに上げ、尻を後ろへ出さず、上体から腰までをまっすぐにして踏まなくてはならない[1]

四股というと片山伸次のように足を高く上げるイメージがあるが、高く上げすぎるとバランスを崩しやすくなり、転倒の恐れがある。構えを崩さずに無理なく上げられる高さまで上げればよい。「四股は足の裏を見せるな」という格言があり[4]、上げる足の膝を上に向けたまま軸足を軽く伸ばす。

効用

下半身の強化や柔軟性の向上に効果があり、これらは相撲の技術習得のために欠かせない基礎能力である。足を上げた時に、大臀筋中臀筋が鍛えられる[5]

力士以外にも、イチロー黒柳徹子など、トレーニングに四股を取り入れている者は多い[6][7]

その他

  • 2022年10月7日に両国国技館で開催された大相撲ファン感謝祭で、親方衆や関取衆が、来場した観客とともに「同時に四股を踏んだ最多人数」に挑戦し、従来の記録(250人)を大きく上回る、400人が参加して記録達成となった[8]

参考文献

脚注

  1. ^ a b "四股". デジタル大辞泉. コトバンクより2021年3月29日閲覧
  2. ^ 『転ばぬ先のシコ』p.26~27
  3. ^ 『転ばぬ先のシコ』p.30~31
  4. ^ 『転ばぬ先のシコ』p.18
  5. ^ “四股で健康に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年4月16日). https://www.asahi.com/sp/articles/ASJ4J2DB9J4JUBQU007.html 2021年3月29日閲覧。 
  6. ^ “イチローも実践!体幹を鍛え腰痛が改善する「四股」の効果”. アサ芸プラス (徳間書店). (2015年1月21日). https://www.asagei.com/31350 2021年3月29日閲覧。 
  7. ^ “黒柳徹子「毎晩スクワット50回」車いす必要ない”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2015年12月9日). https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/1577283_m.html?mode=all 2021年3月29日閲覧。 
  8. ^ 「同時に四股を踏んだ最多人数」でギネス記録 400人参加して見事達成 2日連続の記録達成 日刊スポーツ 2022年10月7日15時26分 (2022年10月8日閲覧)

関連項目

相撲
大相撲
番付
幕内
力士・記録
年寄行司
相撲界
(角界)
本場所
会場(現行)
会場(予定)
会場(過去)
花相撲
団体・組織
マスメディア
不祥事・騒動
関連項目
アマチュア
相撲
世界の相撲
各種相撲
相撲用語
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
団体・施設
関連項目
カテゴリ カテゴリ